PQ Model
PQモデルによるコーチングの概要
PQモデルの前提
賢者【Sage】 VS 妨害者【Saboteurs】
PQモデルでは、私たちの心を舞台に「2種類の人格が主導権争いをしている」との前提から出発します。2種類の人格とは、本来の私たちである賢者【Sage】と、賢者がやりたいことを何かと邪魔しようとする妨害者たち【Saboteurs】で、私たちがネガティブな感覚に苦しむのは、妨害者たちが賢者である私たちの邪魔をするからだとPQモデルではとらえます。
PQモデルによるコーチングの大まかな流れは、
①妨害者たちの力を弱める
↓
②心をニュートラルにする
↓
③賢者のパワーを使う
という段階を踏んで物事に対処していくことになり、この3つの段階それぞれがPQモデルを支える柱となります。より詳しくは以下をご参照ください。
Approach 01
妨害者の力を弱める
妨害者たちは元々生き残りのための心のメカニズムです。進化の過程での生き残り、そして、子どもの頃の生き残りのために必要だったものです。生き残りのためには有効な機能が、今は必要もないときにも作動してしまっている状態に、いわば、あだ名をつけたものが妨害者たちということになります。
妨害者たちに主導権をとられることをPQモデルでは「乗っ取り」と表現しています。乗っ取りなので、定義上、自分では通常、乗っ取られていることに気づけませんが、気持ちや感情がネガティブに振れているときは乗っ取りのサインです。PQモデルのコーチングでは、まずはこの乗っ取りのサインに気づくトレーニングをします。
妨害者たちが乗っ取るときの作戦は、基本的に何らかのウソを信じ込ませることにあります。生き残りがかかっていないことも危険だと言い、できていることについてもできていないと言ってきます。そうした妨害者たちが私たちに信じ込ませているウソを見つけ出すと、一層心が軽くなり深い安堵感につながります。下記のPositive Intelligence社のページで自分を乗っ取ってくるのがどんな種類の妨害者なのかの判定ができます(日本語)。判定結果とともに送られてくるレポートを読むと、一層理解が深まります。
Approach 02
賢者としてのパワーを取り戻す
PQモデルのもう一つの柱は、賢者、つまり、本来の私たちが元々もっているパワーを取り戻すことです。PQモデルでは、賢者としての私たちは誰でも5つのパワーをもっていると考えます。人とつながるための共感する力、自分や周囲の状態を把握する探究する力、新しいアイディアを出す革新の力、大切にしたい価値観に近づいていく方向づけの力、そして、やりたいことを実行する力です。
私たちが本来持っているこうした力は、妨害者の妨害のせいで十分に発揮できていない状態にあります。妨害者の力を弱めるとともに、賢者の5種類のパワーを強くするエクササイズを行います。
Approach 03
心をニュートラルにする
PQモデルのもうひとつの柱がPQ repsです。自分の体の5感のどれかに意識をもっていくだけです。日本語訳の本では「PQ運動」と訳されていますが実際には「プチ瞑想」のようなイメージです。瞑想と違って、最低10秒が1セットなのでいつでもどこでもできます。
妨害者に心が乗っ取られていることに気が付けたとしても、そこから直接賢者モードに移ることはなかなかできません。
そこで、PQ repsを間にはさんで、それから賢者の力を使う試みをします。車やバイクのギアチェンジのときに、いったんギアをニュートラルに入れるギアチェンジの感じです。これを日常、いつでもどこでもできるだけたくさん繰り返すことで、賢者を元気にする脳がイキイキとしていきます。PQ repsを習慣化するために、PQモデルを使ったコーチングセッション中もPQ repsを積極的に行います。
■PQモデルは誰もが使えるツール
PQモデルが素晴らしいのはこのモデルがシンプル、かつ、明確なところにあります。多くのコーチングメソッドでは、クライアントのみならず、コーチも何をしていいのかわからない場面があったりします。しかし、PQモデルのコーチングではそうしたことがありません。PQモデルが示すステップを踏んでいくことで、人生のあらゆるチャレンジに前向きな心持ちで取り組む能力としてのメンタルフィットネスを確実に高めていくことができるようになります。
■効果が高い筋トレのようなトレーニング
もちろん、他のあらゆるコーチング手法同様、PQモデルを使ったコーチングも魔法の杖ではありません。むしろ、PQモデルによるメンタルフィットネスコーチングは、他のコーチングと異なり、筋トレと同じようなトレーニングの性格をもっています。
もっとも、トレーニングとは言っても、悲壮感ただよう根性論のトレーニングではなく、ゲームのように遊びながら楽しく力をつけていくことで、その人本来の実力を発揮したりワクワク感を取り戻したりするものです。妨害者の力を弱めれば、自ずとそこに賢者としての私たちがいます。妨害者の力を弱めて、賢者としての私たちの力が最大限発揮できるように、また、賢者でいられるときのハッピーな心持ちで過ごせるように、トレーニング自体も賢者モードで楽しくやっていきます。